「……天狗にだって感情はあるよ!」



「……妖魔と天狗は人間が参入する前から激しい戦いを繰り広げてきた。
お互いを殺戮し、お互いを迫害し、弾圧した。

そんな歴史を辿ってきたんだ。迷いなんか残るはずがない」




千歳は淋しそうな表情を浮かべた。




さ、行こうか。そう言って、千歳はあたしを家に誘った。