職場で不妊治療に対する理解を得るのは難しかった。
正直、会社で働きながら通院もして治療を続けることは、かなりのストレス。
担当医師がいくら“ストレス厳禁”と言っても、だからって仕事は辞められない。
だって、その医師はこうも言ったもの――
“お金がある……お金がないと出来ない治療もあるのが現実”
通院は週に2回3回に及ぶこともあった。
できるだけ欠勤はしないように頑張った。
それでも遅刻したり、私だけ定時であがらせてもらったり……。
職場の人に迷惑をかけざるを得ないことが多々あった。
私は遅刻や早退をしてバーゲンに行くわけでもエステに行くわけでもない。
だけど、理由なんて考慮してはもらえなかった。
理由がズルでも遊びでも通院でも、職場の彼らにとっては同じこと。
誰かが休めばそのしわ寄せが必ず誰かのとこへくる……ただ、それだけ。



