結局、状況は今のところ何も変わっていないし、変化の兆しもない。

周りの人から――

“おまえが甘やかしてきたせいだ”

確かに、そう言われてもしかたない。

“ほっといて自分でさせればいい”

確かに、そのご意見はごもっとも。

自分でもいつも思ってる。

“やった者負けなのになぁ”と……。

それでも私が辛い体に鞭打って頑張っているという今の状況。

几帳面で完璧主義の私にとって、のらくらな夫は悪阻以上の強敵だった。

辛いのを我慢して自分が動くのもストレス。

だけど――

夫が動くのを待つのもストレス、待って動かなくて状況が悪化するともっとストレス。

職場ではどうだか知らないが、夫は心配性の私と違い超楽観的な人間だ。

“まあ、なんとなかなるでしょう”

これが夫の口癖、十八番の専売特許だ。

実はいつだって影で誰かがなんとかしているからなんとかなっているのに。

もちろん夫はそんなことは考えもしない。