市が開く母親学級に参加したときのことだ。

その日は市内にある病院から助産師が招かれていた。

ほとんどが初産の妊婦たちの前に現れた助産師は、若く美しく知的な女性。

ちなみに、その助産師は私が出産を諦めたあの病院の助産師だった・・・。

陣痛がきてから入院して分娩に至るまでの一般的な流れの説明のあとは、

妊婦から助産師への自由な質問の時間が設けられていた。

すぐに手を挙げたのは、お洒落で高そうなマタニティウェアを着た若い妊婦。

手元に置かれたブランド物のバッグには、不似合いなマタニティマークがついている。

「あのぅ、帝王切開について聞きたいんですけどぉ、いいですかぁ?」

「どういったことですか?」

質問に、助産師はにっこり上品に微笑んだ。