お腹の子は“おそらく”女の子らしい。

それを誰よりも喜んだのは夫だった。

「女の子かぁ~、娘かぁ~」

「ちょっと、鼻の下伸びてるよ」

「いいじゃん、嬉しいんだもん」

「“たぶん”だからね。“た・ぶ・ん”」

「だって、“ついて”なかったんだろ?」

「女の子はね、大どんでん返しもあるの」

あったはずのモノが消えることはない。

が、しかし――

無いと思っていたモノが実は、なんて……。

この可能性はけっこう侮れないらしい。

「お股に挟んじゃってることもあるって」

「そんなぁ。隠してないよね?ねっ?」

夫が私のお腹を撫でながら、まだ見ぬ娘(?)に問いかける。

男か女か、答えが出るまでもう少し……。

この大きなお腹でいるのもあと少し……。