ラビリンスの回廊


足元ばかり気を付けていたため、全くルクトたちの服装には目がいっていなかったが、ふと目を上げれば皆脱いでいる。


気候が変わったようだ。

太陽は頭上でサンサンと輝き、照り返しの地面からは顔にまで熱が感じられる。


そのせいで暑かったのかと納得しフードを外しかけたが、思い返して目深に被る。


汗が滴り落ち、それとともに結わえた髪もゆるんできてしまったようだ。


それを隠すためとはいえ、やはりフードは熱がこもり暑い。


クラリ、と思考が遠のき、足元がふらついた。


「おい!」

耳元で大声を出されたような気もするが、意識はそれを捉えさせない。


ふ、と視界が彼方へ追いやられ、目の前が真っ暗になった。




ガクン、と首が倒れてハッとする。


いつの間にか辺りはとっぷりと暮れていて、視界は真っ暗になっていた。


がくんがくんと規則的に揺れる自分に不思議に思う。


「──ッ!!」


自分のおかれている立場をようやっと理解し、声にならない声を上げ、身を反り返した。


誰かにおぶわれている──!


「お気付きになられましたか、レイナ様。
ああ、顔色もだいぶよくなりましたね」