ラビリンスの回廊



王妃に張り付いていたからといって、そうそう手の内を見れるとも思えないが、何か手掛かりを見つけたい。


ルノが天井で追尾しているとも知らない王妃は、自室へと入っていった。


王妃の間は、金装飾が随所に施された贅沢な部屋である。他の部屋や廊下以上だ。


家具はともかく、窓枠までも金細工がついていて、派手としか形容の仕方がなかった。


王家は清貧な生活とは無縁とばかりに、財政が傾いても王妃は贅沢を辞めない。


そのため公共事業をするにも賃金や対価を払えないブラウ王国では、奴隷は増える一方だった。


農地や鉱物も少なく、そして人材も満足に確保出来なくなってきた今では、隣国のシェル王国を狙う始末。


しかし確実に負け戦となる。それでも開戦へ推し進めようとしている。


シェル王国と戦をすることで、何が王妃の得になるというのか。


敗戦国の王妃なんてなれば、地位も名誉もなくなるし、何より今のような贅沢は確実に出来なくなる。


――破滅願望があるとも思えないが……


ルノは、思案しながら王妃の様子を窺った。


充分に注意しながら、換気用の給排気口から覗き見る。