ルノは考えあぐねていた。
王宮の実態は、ある程度予測していたことといえ。
ここまで王が短絡的な思考をするようになってしまったのは、王妃の仕業だろう。
根拠はない。だがシェル王国への戦を、王へけしかけているのが王妃だということを、ルノは知っている。恐らくその言い含めで、王はあのようになってしまったのだろう。
王がシェル王国へ食指を動かしてから、他国どころか往来はみな途絶え、王宮には誰も寄せ付けなくなってしまったのだから、王妃以外のものから言い含められはしないのだ。
王妃は自分の影響力が及ばなくなるのを恐れたのかもしれない。
推奨派第一人者が過言ではない王妃が、兵への権力を強めれば強めるほど、シェル王国は危険に晒されることとなる。
――しかし、なぜ王妃はブラウ王国とシェル王国を戦争させたいのか。
今までも何度か探ろうとしたがなかなか尻尾を出さない王妃に、ルノは調べ尽くせなかった。
だが今は、王宮には存在しない身。
ルノが舞い戻っていると気付いている様子はない。好機だ。
ルノはそっと、部屋を出た王妃のあとを天井の上からついて行った。


