「捕らえなさい。目的を聞き出すことが出来れば上梓。捕らえるのが難しければ、殺しても構いません。口を割らないときも同様です」
王妃の言葉が広間に浸透するが否や、ばたばたっと兵が立ち去った音がした。
ひく、とルノの眉間が動く。
王妃が言葉を発してから、兵が行動を開始するまでの時間が短い。
王の命令を待たずして王妃の命令で行動する癖が、兵についてしまっていると感じたのだ。
確かに、あのような王の言葉では、どの命令を優先し従うべきか、判断がつけかねるということはわかる。
侵入を阻むのは一刻を争う事柄であるし、もたもたしていたら王たちの命が危ない。
しかし的確な命令をいち早く必要とする場面ではあったが、兵が王の言葉を待たず、王妃の命令を即鵜呑みにするとは。
――思っていた以上に、ブラウ王国は危機に直面しているのかもしれない。


