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玲奈は天を仰いだ。
頭上をぐるぐると鳥が舞っているのが時折目に入る。
穏やかな天候のかいもあって、随分と歩みを進めることが出来た。
もっとも、口数においては誰にもひけを取らないルクトが、終始黙り込んでいたからというのも大きく関係しているが。
集落を出るとから珍しくピリピリしていたルクトだったが、
食事を終えて再び歩き出した頃には、ルクトの調子はほぼ戻っていて、玲奈はそっと息をついた。
そして空を見上げたのだが。
この地に来てから、動物らしい動物を見ていなかったと気付く。
人がうろついているから、気配や臭いで寄り付かないのだろうと気にもとめていなかったが、
それにしても、小鳥の鳴き声ひとつ耳にしていないのは不可思議だ。
考えていたら、言葉がふと口をついた。
「あの鳥、なんていうのかな」


