ぐ、と詰まった声がして、兵たちが膝をつく。
「ほぉ」
予期していたかのような冷静さで、感嘆の声を上げた男だったが、
オーウェンの剣は鞘におさめられたままなのを見て、男の眉がぴくりと上がった。
「なぜ殺す気でやらぬ」
しかしオーウェンは男に構わず、衝撃から体勢を立て直してよろよろと立ち上がる兵たちを見渡した。
「同じ王国のもの同士で争うなど、馬鹿げたことだと思わぬか。
しかもここは他国。ブラウ王国内に諍いありと、みすみす知らせるつもりか」
兵たちに言っているようで、男に言っているのは明らかだ。
しかし兵士の間に動揺が走ったのを見逃さず、オーウェンはあくまでも兵たちに向かってたたみかけた。
「これでは国力が落ちていると知らせるも同然。
果たしてこれは、本当に王の命なのか」
「オーウェン!
ええい、何をしている……相手は村人だ!! シェル王国の輩達に、奴らがブラウ王国のものだとわかるものか!」
兵たちは戸惑いながらも、剣を握り直す。
オーウェンは兵士から男へと、視線を動かした。


