「わたしには、あなたたちを巻き込んだ責任があります」
毅然としたルノに、オーウェンは微笑んだ。
歳の離れはそんなにないが、慈しみある瞳は孫娘を見る祖父のそれだ。
この場にはそぐわないその視線の柔らかさに、違和感を感じたルノは、思考から振り払うかのように静かに言葉を続けた。
「王宮に戻ったら、イシュトさまを連れ戻すのに失敗したことを、王に責められるでしょう。
報告の責務を担ったものが罰されると知って、どうしてわたしだけイシュトさまについて行くことが出来ますか?」
責はわたしが負います、とオーウェンを見返すルノの目に、迷いはない。
「このままイシュトさまが目的を達成出来るよう、わたしは王たちの目を王宮に引きつけておく役目となる必要もあります」
ルノの言葉に、オーウェンはますます笑みを深めた。


