ぐ、と息をつめた王に、膝をついたままの男は、更にかしこまった仕草で進言した。
「手は打ってあります、我が王よ。王妃のおおせのままに」
「なに……?」
ギリギリと歯を噛み締めながらも、手段があると臣下の者が言ったときにはかすかに表情が変化したかに見えた王の顔。
しかしその手段が王妃の案だと知ると、ギョッと目を見開いた。
「……いつの間にそんなことを指示出来るようになったのだ?──まさか」
悠然と微笑む王妃は、何も語らずに、王へ軽侮の眼差しを向ける。
その視線を受け止めきれず、王は戦慄に身震いした。
「まさか……おぬし……」
黙り込んでしまった王から、王妃は視線を外すと、ゆっくりと立ち上がった。
臣下の者はただただうなだれ、身動きひとつせずに、じっとうずくまって床を見つめていた。


