ラビリンスの回廊



「あのね、イシュトくんたちはルノちゃんにはもう素性がバレてるわけ」


何を今更、という顔の玲奈に、ルクトは勿体ぶることもなく、直ぐに単刀直入に思考を促す言葉を繋げる。


「ってことはだよ?
もう隠すことないわけ。

それよりもイシュトくんたちを襲ったやつらが追いかけてきて、もし一人で『紅玉』を目指してるルノちゃんに会ったら……」


何をされるかわからないじゃない?とルクトは視線を下げた。


玲奈はぞくりと背筋が冷え、言葉を失う。


そしてそこまで考えを回す彼らに、なんだか自分だけ取り残された気分になる。


イシュトはそこまで果たして考えていたのかはわからないが、ルクトのそつのなさに玲奈は何故か悔しさを覚えた。


「ふ~ん」

わざと素っ気なく振舞っい、ルノへと視線を移す。


ルノは突然のイシュトの申し出にどぎまぎしながらも、ホッと息をしているのが傍目で見てもわかった。


「イシュトくんが言ってくれて助かったよ~」


大堯に安堵したルクトに苛つく。

玲奈は一瞥したのち、再びルノへ視線を向けた。