ラビリンスの回廊



エマを見て絶句している玲奈だったが、普段なぜエマが無表情なのか、なぜ感情を出さないのか、わかった気がした。


きっと、預言者ルサロアとして王国に仕えるのに必要だったのだろう。


そして、北の神殿跡地に自分を迎えに来たのも、
旅立つ前に王にお伺いを立てられたのも、

何かにつけて自分自身を責めていたのも、

ルサロアだったからなのだ──


それに、シェル王国がブロー王国に攻められるとか、

イシュトたちが拉致されるとか、

そういうことがわからなかったのは多分、『大いなる流れ』が全てを伝えるわけじゃないから……


「エマ……」


やっと口から言葉が出せるようになっても、何と言ったらいいのかわからなくて。


ただ言えたのは、まだ子どもの面影が残るエマの、彼女の名前だけだった。