ラビリンスの回廊



「でも『紅玉』に願いを叶えて欲しくて集まる、イシュトくんたちみたいな奴もいる。

そーゆー奴が『紅玉』を使っても『大いなる流れ』にはただの独り言を垂れ流してるようにしか聞こえない。

気まぐれで願いを叶えたりすることはあるかもしれないけどね」


ルクトが『わかった?』という顔をすると、玲奈は疑問に思ったことをぶつけた。


「『光』っつーのは?」


「『光』というのは、偶像だよ。

民衆は、目に見える行為をしなければわからないんだ。

罪のない高貴な血を流し、罪悪感という連帯責任を感じさせて民衆を支配する。

『光』がいてくれて良かった、そう思う一方、『光』には何も罪はないのに私達のせいで……と思う。

だから、『光』を出した王族には逆らえない。

それに……民衆は決して裕福ではない。富の象徴である高貴なる者の血が流れることは、民衆にとっては甘美でもあるんだよ」


そんなどす黒い砕流の渦に巻き込まれたんだよ、君は。

そんな風に言われ、玲奈は言葉を失った。