ラビリンスの回廊



玲奈の心が、ぞわぞわと嫌な気配をかぎとった。


考えたくないと心が叫び、拒否をしているのがわかる。


だが容赦なくソレは玲奈の心の表面に浮かび上がろうとしており、沈めても沈めても、嘲笑うかのように思考を侵食していた。


イシュトとヴァンの願いが叶わないという意味。


願うことすら出来ないかもしれないというソレが意味すること。


すなわち、彼らが『紅玉』までたどり着けないという、可能性──


でも、それならなぜ、あたしたちは出会った?


運命というならば、なぜ?


運命というなら、誰かの意思だっつーんなら、理由があるはず。


でもそんなのない。

あたしがわからないだけかもしれねーけど。


でも、イシュトやヴァンが『紅玉』にたどり着こうが着かなかろーが、あたしには関係ない。


あたしはあたしで『紅玉』を目指す。


出会っても、出会わなくとも、目指してた。

コイツらは関係ねぇ。


だったらあたしの気持ち、考え、行動も、

運命なんかじゃ、

誰かの意思なんかじゃ、ない──