「なるほど、わかりました。
しかし、私が聞きたいのは……」
ヴァンの視線が、ゆっくりとベンス兄妹へと向かう。
時間までもが緩慢になったような錯覚に陥る。
ベンス兄妹へと視線は向けたまま、ヴァンは玲奈に言い含めるように言った。
「あなたが『光』ならば、この旅の目的はシェル王国の繁栄となりますね。
くしくも、戦争を回避したい我々と主旨が合います」
ヴァンの言葉に、さきのことを思い出しかけ、玲奈の瞳が揺らいだ。
ですが、と続けたヴァンの落ち着いた口調に捕らえられ、玲奈の視線がヴァンに向けられる。
それを確認したのち、彼は言った。
「我々の願いが叶えられれば、シェル王国に『光』はいらない。
ではなぜ、あなたは『光』に?
我々の願いは聞き届けられないということですか?
それとも……願うことすら、かなわないと?」


