パチ、パチ、パチ、パチ……
乾いた手が合わさる音が、静かに響いた。
それはヴァンの両手から聞こえてきていた。
ヴァンはただ、にこやかだが感情の見えない表情をして、両手を打っていた。
イシュトがフンと鼻で笑う仕草をすると、ヴァンの虚ろな拍手はゆっくりと止まった。
「白々しいことを。
お前は俺様に一生付き従うんじゃなかったのか」
皮肉な笑みを絶やすことなく、イシュトはヴァンにそう言った。
「ええもちろん。
ですから、王のイシュト様へ対しての怒りを鎮めるため、
それから、大手を振って王国へ戻ることが出来るよう、
手配したまでです。
『光』を手に入れれば、王も少しはあの王妃から目が離れるでしょうし。
そのためには、皆さんの警戒を解かねばならない。
敵を作って、共に助け合うのが一番です」
皆さんの、というところで、玲奈とベンス兄妹を見て微笑んだ。
「あのタイミングであたしに『光』かと訊いたのも、兵に知らせるためだったのか?」
詰問するような玲奈の言葉に、ヴァンはゆっくりと頷いた。


