暖炉の火が赤々と燃え、その中で、グレイズの実がはぜている。

ぱちぱち、ばちぱち、軽快な音が弾け飛ぶ。

甘い香りがくゆりくゆりと漂いだし、食べ頃を告げていた。

「クリストさんも、いかがですか?」

暖炉の前にしゃがんで、焼けた火箸で灰をかき混ぜながら言ってくるのは、スティフ・アナシア。

茶色の巻き髪をふわりとさせた一年生で、可愛らしい顔立ちが、小さな体とよく似合っている。