そのとき
ボスッ。
後ろから、誰かの肩がぶつかって、あたしはよろめいた。
その瞬間に、ケーキの入った紙袋があたしの手から放れて、そのまま転がり落ちてしまった。
「ああぁっ!」
地面には、横向きに倒れた紙袋。
「…え?」
雄哉くんは不思議そうに、それを見つめている。
あたしは、そっとケーキの入った箱を取り出して、中を開いた。
「あ……」
予想通り、中には原型をとどめていない崩れたケーキの姿。
「せっかく作ったのに…。」
「えっ、これ、笑佳ちゃんが作ったの?」
雄哉くんのびっくりした表情。
「うん。ごめんね、雄哉くんにあげようかなって思ってたんだけど。これじゃ無理だね。」
まぁ、もともと見せられないぐらいだったし、逆に良かったのかも。
「まじで?欲しいっ。ちょーだい?」

