「…」



おもむろに、今打った文字を消して、また親指を動かす。


『空いてるよ☆』


『じゃぁ今から家まで迎えに行くから。』


家?


やっぱあたしの送った『学校だよ』は見えてなかったのか…?


や、寝ぼけてんのかな?


それとも、もしかして、雄哉くんって実は意外に天然系?



ちょっと可愛いかも。



『それは悪いから、駅前で待ち合わせね!!』



メールを送って、教室の壁に掛けてある時計を見た。


あと10分くらいでチャイムが鳴る。



急かすように、針の動きを目で追いかけた。




早く授業終わってよ…。