隣に追いついて、雄哉くんを見ると再びグラサンをかけていた。
「今日みたいなこと、あんまりしない方がいいと思うんだけど…」
あたしはそのまま雄哉くんに話しかけた。
「今日みたいなことって?」
「その…学校まで来て、校門前で待つようなこととか…」
「でも用があったら、また行くかも。」
全然気にしてない様子の雄哉くん。
「じゃぁ連絡してくれれば…」
そーだ。
あたし達、アドレスとか知らないんだ。
でも、アイドルにアドレス聞くの良くないよね…?
ふいにそんな考えが頭をよぎった。
「何て?」
雄哉くんは、言いかけて止めたあたしの言葉を聞き返してくる。
「…ううん…何でもない」
「……」
瞬間、沈黙が続いた。

