「わかった。じゃぁ、もうばいばいだね。今までありがとう。」
「うん」
里菜さんは立ち上がって、一度あたしをじっと見た。
それから、背を向けてファミレスを出て行った。
「良かったの?里菜さん…」
「うん。なんかしつこかったし。」
し、しつこい…?
やっぱ芸能人には、しつこく言い寄ってくる異性が、少なからずいるんだろうか…。
「てか、ごめん。
勝手に彼女とか言っちゃって。笑佳ちゃんしか言える人いなくて…。」
「んーん。それは全然いいけど」
ちょっとびっくりした。
「笑佳ちゃん」
「え?」
顔を上げると、雄哉くんがじっとあたしを見ている。
え……
思わず息を呑んだ。
雄哉…くん……?

