女性の声がして、見ると一人の女の人がこっちの席の方へと歩いてくる。
「あ、里菜」
雄哉くんも、その女の人を見て言った。
えっ…彼女?彼女じゃない?
あたし、居ていいの…?
一気に居づらさを感じるあたし。
里菜と呼ばれたその女性は、あたしと目が合うと、軽く会釈した。
あたしも咄嗟に会釈する。
その人は、あたしより、雄哉くんより微妙に年上に見えた。
「この子、川田笑佳ちゃん。」
雄哉くんが、その女の人にあたしを紹介した。
「あ、初めまして。」
「こんにちは。あたし、守口里菜(モリグチ リナ)です。」
里菜さんは、笑顔で挨拶してくれた。
きれいな人…

