徒歩数分。


あたし達はファミレスに入った。



アイドルもファミレスとか行くんだ…


って人間だし、当たり前なんだけど。



それより、着いてきてほしいとこって、ここ?



「適当に好きなの頼んで?俺の奢り。」

「いいのー?」


パフェとか食べたいなー…ってそうじゃなくて。



座り方がおかしい。

普通は向かい同士で座るのに、あたし達は横に並んで座ってる。



誰か来るのかな…?


「もしかして、待ち合わせ?」

「うん。もうすぐ来ると思う。」


そう言いながら、雄哉くんは呼び出しのボタンを押した。



店員さんがあたし達の席に来る。


「ご注文のほう、どうぞ。」


「このパフェ、ひとつ。」


雄哉くんがメニューで指さしたのは、あたしが見てたストロベリーパフェだった。


「あ、ありがと。」


何も言わず雄哉くんは微笑んだ。





「雄哉っ。」