――バタンッ。
何かのドアが開いて、すぐに閉じる音がした。
その音に目が覚めて、ばっと起き上がる。
「あっ!あたし、寝ちゃってた…。」
呟いてから、あたしがキッチンに立つ人物に気づいたのと、その人があたしに視線を移したのは、ほぼ同時だった。
「えっ!雄哉くんっ!?」
先に言葉を発したのはあたしだったけど、その直後に雄哉くんがちょっと笑った。
「『あっ』とか、『えっ』とか。そんな驚かなくても。」
雄哉くんが呑気に、そんなことを言って笑った。
そして、冷蔵庫を開けると、飲んでいたミネラルウォーターのペットボトルを中に入れ、また扉をパタンと閉じた。
「えっと、雄哉くん」
「ん?」
「その……」
言いたいことも、疑問なことも、たくさんあるのに、
何から話せばいいのかわからなくて。