「絵梨、そんな指さしてたら失礼だし。」
美奈ちゃんがすかさず注意する。
「でも、誰待ってるんだろ?ここの生徒の誰かってことでしょ?」
「誰かの彼氏ー?」
「まじで!」
小さめの声で話をしながら、3人で歩いていく。
「あ、まだ帰ってなくて良かったー」
突然、グラサンをかけたその人が口を開いた。
気のせいか、あたし達の方向を見ていて。
念のために後ろを見ても、誰もいない。
あたしには全然見覚えないし…
てことは、美奈ちゃんか絵梨の知り合い!?
「美奈ちゃん、知り合いなの?」
「ちがうってー。絵梨じゃないの!?」
「あ、あたし!?知らない人だよ!?もしかして、ナンパ?」
絵梨のちょっと嬉しそうな声。
3人でもう一度、相手を見てみた。
「えっ、もう俺のこと忘れちゃった?
笑佳ちゃん。」
って……
あたしですか!?

