――「ねぇ、笑佳」
学校から帰るなり、自分の部屋に向かおうとしたあたしを、お母さんが呼び止めた。
「丁度いいところに帰ってきた。これ、何か知らない?」
お母さんは、白い封筒をあたしに見せてきた。
「何それ?」
「今、家のポスト覗いてきたら、入ってたの。名前も何も書いてなくて。」
お母さんの言った通り、表も裏も真っ白だ。
「中は見た?」
「まだ開けてないけど。」
あたしは、おもむろにその封筒を開いた。
中には、2つ折りにされた1枚の白い紙が入っている。
それを取り出して、さらに開いてみた。
「………え……?」
「…何のこと?」
お母さんは、不思議そうにあたしの顔を見た。

