「んじゃ、またね。」 「ばいばい」 いつも通り分かれ道でバイバイして、あたしは家路を歩く。 カツカツ… はっとした。 後ろから足音が聞こえる。 前と同じ道で、同じ時刻だ。 ごくりと生唾を呑んだ。 後ろの様子を伺いながら歩く。 だけど、前とは違い、あたしの歩幅に合わせた足音ではなかった。 もっと速くて、徐々に近づいてくる足音。 カツカツカツ… 怖くなって早歩きにすると、さらに足音はスピードを増した。 ――やだっ!―― 思ったと同時に、後ろから肩をガッと掴まれた――。