「でも、だったら…」
あたしが言いかけると、雄哉くんはあたしの目を見つめてから、ぎゅっと抱きしめてきた。
「俺のためにしてくれてたことでも、2人で料理してたって聞いたら……
すげぇ妬ける。」
語尾になるにつれて聞こえないくらいの声のボリュームで、雄哉くんはたしかにそう言った。
「…え………」
雄哉くん……焼きもち…焼いてくれたの……?
身体を少しだけ離して見ると、いつになく余裕のない雄哉くん。
雄哉くんには悪いけど、ちょっと可愛いって思っちゃう。
妬いてくれて、ちょっと嬉しいと思っちゃう。
「なんで笑ってんだよ?」
「や、だって…」
雄哉くんはあたしから視線をそらす。
「……ごめんね?」

