それから、他愛ない話をしながらハンバーグを作っていき、あとは焼くだけになった。
「じゃぁそれ、フライパンにのせて。」
「はい。」
ハンバーグの種をフライパンにそっと置くと、じゅぅっと音がした。
すぐに焼き目がついて、裏返してから弱火にし、蓋を閉めた。
「しばらくそのままで待とっか。」
「はーい。」
手を洗っていたとき。
ダイニングに置いてる鞄から携帯が鳴っているのが聞こえた。
「あ、電話。」
「出てみたらー?」
後田くんに言われて、急いで手を拭き、携帯を取り出した。
ディスプレイには、雄哉くんの文字。
キッチンから少し離れて、通話ボタンを押した。
「はい、もしもし。」
「あ、笑佳?俺だけど。」
「うんっ」
「今、何してた?」
「え…?」

