――そして、材料を買ってきて、ハンバーグを作り始めた。
「なんで、ハンバーグ作りたいと思ったの?」
玉ねぎをみじん切りにしているとき、後田くんが問いかけた。
「雑誌で、女の子に作って欲しい料理って質問が書かれてあって。」
「あぁ~!それ、俺も聞かれた」
「何て言ったんですか?」
「たしかね、肉じゃが。」
「へぇ~。なんかいいですねっ」
「何それ?」
後田くんが笑う。
「いたっ」
「ん、どしたの?」
玉ねぎがしみて、涙目になる。
「目にしみて…」
「大丈夫?」
後田くんが、あたしを見た。
「うん、大丈夫…。」
すると、後田くんは、ふふっと笑った。

