――「好きな女性のタイプ、礼儀正しい子だって!」


「絵梨とは真逆のタイプだね」


「それ、ひどくない!?
そんなこと!……………あるかも…。」


口を尖らせて、しょんぼりする絵梨。



今日もファーストフード店で、美奈ちゃんと絵梨とゆかいな仲間たちとたむろ中。


絵梨が、雑誌の上野智也くんのページを開いていた。



「美奈ちゃん、そんなにはっきり言わなくてもさぁ…」


「そうだよ!」


あたしの言葉に絵梨が頷く。



「第一、上野智也の好きなタイプが絵梨とばっちりだったとしても、絵梨のことを迎えに来てくれるわけでもないんだし…ね?」


「そんなことわかってるもん!」


さらに口を尖らす絵梨。



「まぁまぁ…。」



「ところで高瀬くんはどうなの?」


美奈ちゃんが、身を乗り出して雑誌を覗く。



それに合わせて、意識して耳を傾けちゃうあたし。




「……好きな女性のタイプ、家庭的な子。」