結局、高瀬くんが家まで歩いて送ってくれることに…。


「じゃぁ、またね。」

上野智也くんが笑顔で言った。


『また』はないんだろうけど…。



「お腹、まだ痛む?」

「少し…」


高瀬くんが車のドアを閉めて、あたしを心配そうに見る。


優しい…


やっぱ2人ともアイドルだし、イメージが大切だからかな…



「送るのが智也じゃなくてごめんね。」

「え?」

「俺のこととか知らないでしょ?」

「や、知ってます!」


すいません、昨日知りました…。



「グループん中で、智也ばっかが人気になってて、仕事も多くて…。

俺は、まだ名前も覚えてもらってないことだってあるのに。」


高瀬くんが歩き出して、あたしも慌てて横に並んだ。



「高瀬くんは…」

「雄哉でいいよ?」


いやいやいや。

そんな友達みたいに呼べません。


「俺ら、2歳しか変わんないじゃん。だから敬語も別にいいし。」


芸能人って、みんなこんなにフレンドリーなんだろうか?