そう言って、雄哉くんがあたしの手に乗せたのは、鍵。 「これ…」 そう、雄哉くんの部屋の合い鍵だった。 「前に預かっててって言ったのに、笑佳がまた返してくるから…」 「あ……ごめん。」 あのときは、もう雄哉くんのことを諦めるつもりで… 「でも、いいの?」 「当たり前。」 まさか、再びあたしの手に戻ってくるとは思わなかった。 「今度はちゃんと持っててくれる?」 「うんっ」 あたしが強く頷くと、 雄哉くんは、あたしの前髪にキスして、それから優しく抱きしめた。