「ありがと…」


包みを開けて、それを口に入れるあたし。



「ちゃんと寝れてないんじゃないの?高瀬くんのこと?」



「…うん」



さすがだな…美奈ちゃん。


人間観察のプロだもんね。



「なんで?騒ぎはもう治まったじゃん。
まだ会えないの?」


「たぶん…会えるとは思うよ?けど……」


「なに?」



「あたしが雄哉くんと会って、
あたしが雄哉くんを好きでいて、

メリットなんてないのに、いいのかなって…」





口の中ののど飴は1度噛んだら、もろくも簡単に砕けてしまった。





「何言ってんの?人が人を好きになることに、なんでメリットなんか必要なの?
誰かと会うのだって、自分が一緒にいたくて、それが幸せだからでしょ。




笑佳は……



そうやっていつも自分に言い訳して、ただ逃げてるんだよ」