放課後の誰もいない教室。


俺は1人、実沙希が来るのを待っていた。


開けっ放しの窓から入ってくる風が、俺の頬をくすぐる。


教室の窓から見える景色。
普段はなんの変哲もない景色なのに、なぜだろう。
実沙希と一緒に帰るのを考えると、いつもの景色が色鮮やかに見えてくる。



あれ、誰だ…?

窓の向こう。
校門へと続く道に、見慣れない女の子が立っていた。

大きな赤いリボンが胸元にあるセーラー服。
袖口から見える腕。
“華奢”って言葉がピッタリだ。
色白で、女の子の赤い唇がそれを際立たせていた。


ここから見ているのもあるけど、小さい女の子だなぁ。
随分大荷物だけど、大丈夫か?
あんな細っこい身体で持てるのか?