「あたしはもう、春日ちゃんを傷つけたくないの……」 大河が黙り込んだ。 「じゃあ、俺は?」 「え?」 「俺なら傷つけていいの?」 そういうと、大河は走って行ってしまった。 中庭に1人残されたあたしは、 涙を流し続けてた。 夢の中の王子様は、 こんなに苦しくなることはなかった。 当たり前か…… 大河…………… たいが…………… た……いが………ァ 「ごめんね。ごめんね。………ごめん………」 あたしはずっと、しゃがみこんで、 泣いていた。