アリスが立っていた場所には


「クラブの」

「門番さん?」



手刀を使ったのか
腕を振り上げた姿勢で
こちらに顔を向ける。




「…ごめんなさいね
驚かせてしまったみたい」


門番さんの後ろから
音も無く現れた
ハートの女王…じゃなくて
学園長が悲しい顔で
僕らを見る。



「いったい…どういうこと
なんですか?
僕らには何が何だか…」


ハット先生や
ティー、カップも頷く。


「大丈夫よ
私からちゃんと説明するわ
"アリス"の秘密を…」



アリスの秘密?



「まぁ…その前に
三月兎先生を保健室に
運んでちょうだい。
そんな所で寝られても困るわ

アリスはコチラで預かるから
三月兎先生を運び終わったら
私の部屋までいらっしゃいな」



学園長はそう言うと
クラブの門番さんは
アリスを担ぎ上げ
一緒に去って行った。