君の声、僕の歌姫

「僕がお面を外して戦った事ってあった?」


身に覚えがないようでした。キルシュの怯え方から見ても、

相当その当時のハルトは怖かったと見て間違いないでしょう。


「キルシュ……俺、ハルトを敵に回したくないかも」
「だよねえ……」
「何の事か分からないけれど、キルシュ。さっきから気になっていたんだけど、
君はか弱くて可愛くないからね?」


ハルトがまたキルシュの地雷を踏んだように……見えました。

キルシュが怒り狂いかけたその瞬間に更にハルトが一言言います。


「か弱くて可愛いなら、沢山いる。強すぎて可愛いは君だけだから」