君の声、僕の歌姫

「ラウトだけのモノにしちゃえば良いのに」
「なっ……おまっ……それ、どういう意味で言っているのか分かっているのか!?」
「流石ハルト! そうだよね、好きなら自分だけの宝にしちゃえば良いんだよ!」


火が付いたように顔を真っ赤にして戸惑うラウトに、

ハルトを褒め称え、キルシュは彼に便乗しました。


「スティーちゃんの大切な物って何かは分からないけれど、
大切な人の大切な物ならちゃんと取り返さないとね!」


ラウトの方を思い切り叩きながらキルシュは、

“あたし達はイフェルを倒さないと、だけどね”と付け加えました。

ラウトはキルシュに叩かれたのに、そんなに痛みがない事に疑問を感じました。