君の声、僕の歌姫

キルシュは何故か目を輝かせていました。

恐らくラウトが片思いだと言う事を当てた事に対して、

ハルトに惚れ直してしまったと言ったところでしょうか。


「スティーって子、本当に愛されているんだな。
でなければラウトが此処にいる筈がないと思うから」


ハルトはまるでさっきの事を償うかのように、ラウトに言います。


「アイツは、スティーは……村の宝物だから」


ほんの少し寂しそうにラウトは言葉を返します。

ハルトはその言葉の意味が上手く理解出来ませんでした。

そして何を思ったのか、ハルトにしては珍しいかも知れない励ましが返って来ました。