君の声、僕の歌姫

(あの野郎……っ! どうやって知りやがった!? 俺とスティーだけの秘密だった筈なのに)


ラウトの様子に疑問を抱きながらも、キルシュは確信しました。

やっぱりスティーと言う子はラウトとはそういう関係なんだな、と。

しかしハルトは別の事を思っていました。


「ラウトの場合、片思いじゃないのか?」
「え!? そうなの?」


ハルトのその言葉にラウトは更に戸惑います。

キルシュは図星だったんだと思い、ハルトに至っては……


「適当に言ってみたんだけどな」


と。感情もなく冷静に言いました。

ラウトはハルトの発言に今度は固まってしまいました。