君の声、僕の歌姫

「あれは魔法じゃない。術だ。魔法に近いけど、魔法ではない」
「魔法で良いと思うんだけどねえ……
ハルトの家系って、こう言うの使う人多いみたいだよ?」


ハルトは魔法ではないと言い張りました。

ただ札と呼ばれる紙に念を込めて当てるだけだから、だそうです。

キルシュもラウトと同じように魔法でも良いじゃん、と思っていますが、

ハルトは決して魔法ではないとそこだけは譲りませんでした。

ラウトは3人の偉大であろう魔法使い以外にも、魔法が使える人がいる事を初めて知りました。


「キルシュも言っていたけれど僕よりもラウト、
単純バカに見える君が魔法が使えるとは思わなかったよ」


ラウトはそんなハルトの言葉にカチンと来てしまいました。