君の声、僕の歌姫

「なっ……んな事は、って言うかお前……」
『キルシュと言ったか? あの娘の言う事は正しいな。今のお前はあの2人より弱い』
「んだと……っ」
『怖いか? そうだよな。あんな魔物はワタシが常に寄せ付けないようにしていたからな。
外の世界と言うものはこう言う魔物が多い。効力の薄い所でな』


続けてフェネルは言いました。何処かの村や町では魔物の恐怖に怯える者、

魔物に襲われ2度と歩けなくなったり、最悪な場合は死ぬ者もいるという事を。


『お前は幸せな人間だ。お前だけでなくあの村の者全員は。
これは……今お前の眼に映る世界が、現実だ。
もう1度言う。どんなに強いと豪語した所で今のお前は弱い』


ラウトはフェネルの言葉を聞きながら、戦う2人と魔物達を見ました。