君の声、僕の歌姫

さっきの事も2人がいなければラウトは確実に死んでいたでしょう。

それを考えれば2人も一緒に来て貰う方が、良いのかも知れません。

が……ラウトにはどうしても解せない言葉がありました。


「俺は、弱くなんか……んん!?」
「……っ! 静かにして。さっきの奴の仲間かもしれない」


言葉を言い掛けるラウトの口を塞いだのは、ハルトでした。

ハルトの視線の先にはさっきの大木の魔物が5体ほどいました。

大きさはあの大木ほどではないように見えますが、

力は恐らく同等と見て間違いないでしょう。


「ラウトはじっとしていて。あたし達で何とかするから」