君の声、僕の歌姫

(でもそんなので結婚出来るんだから凄いよな……と言うか、単純な考え方)


ラウトはそんな事を思いながらも、まだ続くハルトの話に耳を傾けます。

2人……と言うよりかはキルシュが1日でも早く認められたくて、

決められた出発日を無視して1週間早く故郷を飛び出したそうです。

しかし誰が最強の敵なのかが分からない2人。

とりあえずしらみ潰しのような形で、賞金首を倒しているそうです。

旅をする上で必要な資金稼ぎも兼ねているとの事でした。

が、なかなか最強の敵に会う事の出来ない2人はある日小耳に挟みます。


「イフェルがまた1つ村を潰した、って噂が流れていたんだよ」


ラウトはその言葉に息を呑みました。

自分はそんな奴に立ち向かうのか、と恐怖も湧きあがりました。