君の声、僕の歌姫

ラウトがすかさず突っ込むのを確認した後、ハルトは話を続けました。


「それでだけど……」


2人の交際は順調に行っていたかのように思えていました。

が、そんな2人には試練が待ち構えていました。


「僕らの結婚をそれぞれの両親が許さなかった」


2人はハルトが20歳になったら結婚すると誓いました。

しかし2人の両親がそれを反対しました。

ハルトみたいな暗い人間が娘を守れる訳ない、とキルシュの両親は言い。

キルシュみたいな能天気がハルトを支えられる良妻になれる訳がない、

とハルトの両親は言いました。