君の声、僕の歌姫

ラウトが真先に向かったのはスティー達のいる教会でした。

気付けばラウトは彼女たちをほったらかしにして、行ってしまったのです。

まずは謝らなければなりません。そして暫しの別れの挨拶も。

教会にはすぐに辿り着きました。そこには先程の面々が揃っていました。

そこでラウトは姉であるローゼに思い切り頭を叩かれました。


「いったぁー……何するんだ、暴力女!」
「バカっ! どうせ悪魔の所に行ったんでしょ? 殺されやしないか心配したんだから……」


彼女の瞳にはうっすらと涙が浮かんでいました。

それを見たラウトはほったらかしにして行ってしまった事と、

これから暫く家を空ける事に関してお詫びをしました。